岡田総領事(大使)離任挨拶

令和6年12月4日
離任のご挨拶
 

 この度、在香港日本国総領事館での勤務を終えて、帰国すべき旨の命を受け、11月末に香港を離れることになりました。2021年9月から約3年3か月もの長きにわたって香港・マカオで勤務させていただいたことを大変光栄に思っております。着任当初は新型コロナ感染症による制限もございましたが、当地でも数多くの交流が再び活発に行われるようになり、日常を取り戻すことができました。皆様のご支援に心より御礼申し上げます。
 
 1989年の香港中文大学での研修以来、2度目の香港・マカオで勤務させていただいたことは今でも大変感慨深く感じております。私は北京、上海等の都市でも勤務経験がございますが、「一国二制度」という香港及びマカオの独特のシステムは大変興味深く、当地の多くの方々との出会いを通じて非常に多くのこ とを学ばせていただきました。
 
 香港は、日本にとって緊密な経済関係及び人的交流を有する極めて重要なパートナーです。今日までの日港関係があるのは、ひとえに日港双方の数多くの先人が数多くの交流と活動を重ねてこられたご功績によるものです。さらには、日本の食や文化などを大いに楽しんでくださっている香港の皆様の存在も大変心強い限りです。毎年行われる「日本秋祭」を始め、これまで数え切れないほどの日本関連イベントに足を運んでまいりましたが、ここまで日本との絆を強く感じられる場所は世界においても殆どありません。スピード感と柔軟性が持ち味の香港の皆様が、英知を尽くして未来を切り開かれることを願ってやみません。
 
 マカオは、長年観光・カジノ産業の発展が著しく、これまで日本の大手メーカーや損保、ホテル、旅行代理店などがマカオに進出しています。2019年には日本企業の担う次世代路面電車(LRT)が運行開始されるなど、日・マカオの経済協力も進んでおります。マカオは産業の多様化も目指しており、医療や文化・スポーツ産業等、日本との協力をさらに広げていくチャンスでもあります。今後、更に日本とマカオの人的往来が増え、一層緊密な協力関係が築かれていくことを期待しております。
 
 着任以来、日本と香港・マカオとの関係を一歩でも前に進めるべく、微力ながらも限られた時間の中で一人でも多くの人と出会を重ね、相互交流・協力の強化に取り組んでまいりました。3年余の長きにわたって充実した日々を送ることができ、皆様からの格別のご指導とご厚情に心より御礼申し上げます。特に難しい時期に、総領事館の活動にご理解とご支援をいただいたことに対し、篤く御礼申し上げたいと思います。
 
 私の後任には、三浦潤総領事(大使)が着任する予定ですので、総領事館の活動を引き続きご支援いただければ幸いです。
 
 結びに、皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げ、 離任のご挨拶とさせていただきます。
 
令和6年11月
在香港日本国総領事館 総領事
大使 岡田 健一