海外安全対策情報(2018年7月~9月:香港・マカオ)

平成30年10月24日
海外安全対策情報(香港・マカオ)
 
 
1 2018年7月~9月の間に邦人が巻き込まれた犯罪
     2018年7月~9月の間の在香港日本国総領事館管轄域内における日本人の犯罪被害件数は、15件でした(当館把握分)。被害内容は、財布、旅券等の窃盗による被害が主なものでした。

2 殺人・強盗等凶悪犯罪の事例
  日本人の被害は報告されていません。

3 テロ・爆弾事件発生状況
  テロ・爆弾事件の発生は報告されていません。

4  対日感情
    一般的には良好ですが、先の大戦に関連して我が国に対する要求を行う団体、尖閣諸島に関して中国の領有権を主張する団体等による抗議活動は、依然として継続されており、引き続き注意が必要です。

5 日本企業の安全に関する諸問題
     特段の問題は報告されていません。

6 治安情勢
   香港・マカオ、両地域の最新の政府発表による犯罪発生件数を前年同時期等と比較したところ、香港及びマカオともほぼ横ばいの傾向が続いており、治安情勢は比較的安定していると言えます。
 (1)香港警察発表による2018年上半期の犯罪発生件数
   2018年1月~6月の犯罪発生件数は、26,550件で、前年同期より1,759件少なくなっています(約6.2%減少)。
 (2)マカオ保安司発表による2018年上半期の犯罪発生件数
   2018年1月~6月の犯罪発生件数は、7,116件で、前年同期より191件増加しています(約2.8%増加)。
 (3)その他
  ア 香港へのスタンガンや警棒等の持込み(香港でのトランジットを含みます)に関する注意喚起
            香港条例第238章(槍械及弾薬条例)第13条には、「何人も免許を取得しない限り武器(Arms)(スタンガン、ペッパースプレー等)や火器を所持することができない」旨規定されており、これに違反すると、最大で10万香港ドルの罰金と禁固14年の刑に処せられる可能性があります。また、香港条例第217章(武器条例)第4条には、「何人も違法武器(Prohibited Weapons)(ナックル、警棒、ナイフ等)を所持することができない」旨規定されており、これに違反すると、最大で1万香港ドルの罰金と禁固3年の刑に処せられる可能性があります。最近、香港への旅行者、あるいは、香港でトランジットする旅行者が、香港国際空港で逮捕されるケースが増えていることから、特に注意が必要です。
(参考URL)https://www.police.gov.hk/ppp_en/04_crime_matters/cpa/cpa_at_01.html
  イ 香港で短期商用活動を行う際の就労査証(ビザ)取得に関する注意喚起
            香港では、「訪問査証(ビザ)」で可能な商用活動の範囲は極めて限定されており、何らかの商用活動を行う場合には、期間の長短及び報酬の有無に拘わらず「就労査証(ビザ)」を取得する必要があります。仮に「就労査証(ビザ)」を取得することなく商用活動と見なされる活動を行っていると疑われた場合には、「入境条例」違反にて逮捕・拘留され、当該本人の雇用主も同様に「入境条例」違反となる可能性があります。つきましては、香港の訪問査証(ビザ)で可能なビジネス活動は限定的であることに十分留意した上で、香港において「就労」と見なされる可能性のある活動を行う場合、あるいはそのような活動を行う者を雇用する場合には、「入境条例」違反とならないよう事前に関係情報を確認する等して、十分注意してください。
(参考URL)
   香港入境事務處HP http://www.immd.gov.hk/eng/faq/visit-transit.html
   在香港日本国総領事館HP https://www.hk.emb-japan.go.jp/files/000380758.pdf
  ウ 金の密輸事犯に関する注意喚起
            金地金(いわゆる「金の延べ棒」や「金塊」など)の日本への密輸事件が引き続き多く発生しており、2017年(平成29年)の処分件数が1,347件、押収量も6トンを超えており、いずれも過去最高を記録しました。その中で、密輸仕出地別処分件数は、340件が香港からであり、金の密輸の多くは、旅行者等に日本までの運搬を依頼する手口によるもので、金の密輸を依頼する者は、暴力団などの犯罪組織です。金の密輸は脱税を伴う重大犯罪であり、日本税関によれば、犯則者には相応の処分を行うとのことなので、こういった犯罪に巻き込まれないよう十分ご留意ください。